ススキ (11月20日)

 ススキの草原はめっきり減りましたが、近くの丘にはまだ一面に生えていて、 そろそろ盛りを過ぎる白い穂が風に靡いています。

 それでも、この地区にまだ数軒残っている茅葺きの農家では、原料のススキを 確保するのが大変だと言ってました。
その上茅葺き職人を集めるのも殆ど不可 能に近く、遠からずトタン板で蔽うか、瓦屋根に改造するしかないそうです。

 なお「茅」というのは屋根を葺く材料になる草、ススキ、スゲ、チガヤなどの 総称で、植物名としてのカヤは常緑樹のカヤ【榧】のことになります。


ススキ【薄】
Miscanthus sinensis イネ科ススキ属


日本全土の山野にごく普通にみられる多年草で高さは 1〜 2m になり、しばしば 大群落を作ります。
宿根から毎年多数の茎を束になって生やし、大きな株になり ます。

葉は幅 1〜 2cm 長さ40〜60cm で堅く、中央に白い筋が通り、縁には細か く鋭い鋸歯があって、しばしば指などを切ることがあります。

秋に茎の頂きから大きな花穂が出て美しく銀色に光るさまは、よく日本の風景の 代表のひとつにされますね。
オバナ【尾花】の別名で秋の七草のひとつに数えられています。

イネ科の花(正しくは小穂(ショウスイ))は地味で目立ちませんが複雑な形をしていま す。
イネ科はキク科と並んで植物の中ではもっとも進化したグループなのだそう です。

Topページへ戻る