「コブシ」 (3月12日)


春先に旅をしますと、山間を行く列車の窓からコブシの白い花を見つけることが よくあります。
回りがまだ冬枯れの林なので、白い花がひときわ目立って春を告 げるのです。

ハクモクレンと花の形も匂いもよく似ていますし、同じころ咲くので紛らわしい のですが、ハクモクレンの萼は花弁と全く同じ大きさと形であるのと違って、コ ブシの萼3枚は小さいのではっきり 6弁花とわかり、すぐ区別できます。

若い蕾を乾燥して頭痛薬としたり、花から香水の原料をとったり、葉から辛夷油 をとったりと、なかなか有用な植物でもあるのです。


コブシ【辛夷】
Magnolia aslicifolia モクレン科モクレン属

大阪府豊中市にて Photo by O.Kajimoto

本州から九州に至る各地の山野に自生し、または鑑賞用に植えられる落葉高 木。

高さ10〜15m 。

春の初め、葉に先だって芳香ある白色大形の花を開く。

葉は互生し倒卵形で全縁。

果実は秋に熟して開裂、白糸で赤い種子を釣り下 げる。

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