「シデコブシ」 (3月13日)


シデコブシという、薄く紅を刷いた白い花が咲いています。
やはりモクレンやコブシの仲間でよい香りがしますが、花弁が多くて開ききると 垂れ下がるようになります。
垂れ下がった姿がシデを連想するのでこの名がついたものなのでしょう。

植物にはこのほかにもシデノキ、シデザクラ、シデシャジン、シデガヤツリなど 「シデ」のついた名がたくさんありますが、いずれも花や果実が垂れ下がってい るものにつけられた名です。

シデとは神棚の注連縄に垂らしたり、神主さんがお祓いをする榊の枝に結んであ ったりする、白い紙を畳んで切ったもののことを言います。
漢字では垂(シデ)、紙垂(シデ)と書くのが普通ですが、幣束(ヘイソク)という言 い方もあり、これは丁寧に言うと御幣(ゴヘイ)で、「御幣を担ぐ」などという言葉 もありますね。
で、幣という字をシデとも読み、人名などにはよく使われています。
昭和20年、新憲法ができたときの総理大臣は幣原喜重郎(シデハラ キジュウロウ)と いう人でした。

話が横道にそれましたが、シデコブシはこの「幣」の字を書きます。


シデコブシ【幣辛夷】
Magnolia stellata モクレン科モクレン属

イギリス・ロンドン・RegentPark(1999年4月) Photo by O.Kajimoto

主として本州の中部地方に分布している落葉小高木。

庭木として植えられて いるものは関東各地にも見られる。
高さは 2〜 4m 、葉の出る前に多弁で芳 香のある花を開く。

花は直径 8〜10cm 、花弁(花被)の数は12〜13ある。

園芸品種も多く、紅色の濃いものをベニコブシと呼ぶ。

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