「アブラチャン」 (3月16日)


ちょっとした山道を歩くと、まだ葉の出ない枝に黄色い花の小さな塊をたくさん つけたアブラチャンが目立つ季節です。

アブラチャンという面白い名の由来は諸説がありますが、チャン(瀝青)に油を 加えた油瀝青であるというのがほぼ定説になっているようで、漢字 表記もそう書きます。
それほど油分が多く、よく燃える木です。

チャン(瀝青)とはコールタールを蒸留するとできる黒または濃褐色の物質で、 ピッチとも言い、道路の舗装や塗料に用いられます。

同じく舗装材のアスファルトのことも瀝青と書くことがありますが、アスファル トは正しくは土瀝青(ドレキセイ)といって、石油の精製残渣です。

また話が横道に逸れました(^_^;)。


アブラチャン【油瀝青】
Parabenzoin praecox クスノキ科シロモジ属

O.Kajimoto

本州〜九州の山地に生える落葉低木で高さは 3〜 6m 。

葉は互生して長さ 4 〜 7cm の倒卵形で先は尖っている。

早春、葉の開くのに先立って淡黄色の 小さい花を多数つける。

秋に実が黄色く熟し、皮が割れて直径1.5cm ぐらい の大きな種子がこぼれる。
この種子は油分を多く含み、よく燃える。

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