「スプレーギク」 (10月31日)


「秋の空澄み菊の香高き、今日の佳き日をみな寿ぎて」は明治節という戦前の祝 日を祝う歌の一節ですが、この日11月3日は明治天皇の誕生日に当たります。
いまでは「文化の日」となっていますね。

菊の花は高貴・威光の象徴といして扱われ、平安の藤原時代から菊花の文様が上 層貴族の間で好んで使われたということです。
皇室では鎌倉時代初期から菊花紋 が愛用され、次第に皇室の紋章として定着していくのですが、公家・大名ばかり でなく商人までが菊花紋を商章として使うようになったので、皇室では紋章の権 威が失墜することを恐れ、明治の初めに「十六弁八重表菊」を皇室の、「十四弁 一重裏菊」を皇族のそれぞれ正式紋章と定め、皇室・皇族以外にはこれを使うこ とを禁じました(菊の御紋章)。

ルース・ベネディクトの名著「菊と刀」の中でも述べられている通り、日本人は 菊作りが好きらしく、今でも秋になると伝統的な菊花展が開かれ、愛好者は菊作 りの腕を競います。
反面一般の家庭でも作りやすいキクの種類も増え、ポットマ ムやスプレーギクが今や大衆菊とでもいうべき存在になりました。
どちらもアメ リカで作りだされた菊の改良種ですが、逆輸入されて普及しています。


スプレーギク【スプレー菊】
Chrysanthemum morifolium キク科キク属

千葉県大原町で(1995年10月)Photo by K.Iozawa

スプレーギクは分岐性のよいキクの総称となっている。

切り花、鉢もの、花 壇用に栽培される多年草で高さは60cm 〜80cm になる。

花は10月下旬 から11月下旬にかけて咲き、花は中輪で白、黄、橙、赤、薄紫、青など多 彩。

一重のほかに八重、デコラティブ、アネモネ咲きなど変形も多い。

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