「サフラン」 (10月30日)


サフランとはこの花の雌しべからとる生薬の名前なんですが、いまではこの花そ のものの名前になってしまいました。

薬のサフランは鎮静剤や婦人科の薬として 有名ですが、スパイスや染色剤として料理や製菓にも使いますね。
わずかな雌し べを人手で集めて乾燥させたものですから、高価です。

地中海沿岸からインドにかけてを原産地とする小型の多年草で、古代から薬用植 物として栽培されてきましたが、現在は鑑賞用が主で、香料・染料としての需要 も僅かながら残っているようです。

クロッカス属(またはサフラン属とも)は園芸品種が多く、約75種あるそうで すが、サフランはその中の一種です。
クロッカスとサフランは違うのですか、と よく聞かれるのですが、多くのクロッカス仲間のうちで、このサフランだけが特 別に名前を持っていて、ほかはみなクロッカスと総称します。

クロッカスの仲間は秋咲きと春咲きがあり、サフランは秋咲きで普通は秋に花壇 に植えればすぐ花が咲きますが、同じころに水栽培もできます。
花屋さんで売っ てる水栽培用のクロッカスは春咲きの種類が多いですね。


サフラン【saffraan】
Crocus sativus アヤメ科クロッカス(サフラン)属

千葉県大原町で(1994年11月) Photo by K.Iozawa

秋に球根から細い線形の葉を多数伸ばし、10〜11月に碗形の6弁花を開く。

花弁は淡紫色で濃い色の筋があり、黄色の雄しべと赤橙色の長い雌しべが目立ち、 芳香がある。

花後葉は伸び、30〜45cm になる。

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