「イロモドリノキ」 (11月9日)


花が最初黄色ですが、のち橙赤色に変わり、しばらくするとまた黄色に戻ります。
この性質が「色戻り」の由来だと思われますが、花はあまり大きくならず、葉は 2裂しないという特徴があります。

シンガポール植物園の中央に大きな池があり、その畔に「仙鵞洞」(だったかな) という名のティールームがあるのです。
このお店の前庭のパーゴラに蔓性のこの 木がからまっており、オレンジや黄色の花がいつも咲いていました。

この植物園を訪れるたびに、ここで紅茶を飲みながら池にいる黒鳥をながめるの がならわしでした。

シンガポール植物園は東南アジアではもっとも赤道に近いところに位置し、面積 は130万平方m あります。
イギリスが植民地のリクリエーション施設として建 設したものですが、現在では世界屈指の熱帯植物園となっています。
戦時中、当 時の京大名誉教授であった郡場寛氏が献身的な努力で戦争による破壊から守った 話は有名です。


イロモドリノキ【色戻木】
Bauhiana kockiana マメ科バウヒニア属

シンガポール植物園で(1980年11月)Photo by K.Iozawa

熱帯アジア原産の蔓性植物で、東南アジア各地で鑑賞用に栽培されている。

葉は2裂せず、楕円形で先は尖り、平行する3本の葉脈が目立つ。

花は総状 花序に多数ひらき、1個の花は直径2〜3cm の5弁花で、数日の間に黄→ 橙赤→黄と色が変わる。

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