「ウラジロデイコ」 (12月3日)


熱帯ではデイコ属の代表みたいにあちこちで目にしますが、どういうわけか日本 にはあまり紹介されていません。

真紅の花弁にはビロードのような感触があり、 葉の裏側は粉をふいたように白くなっています(種小名のグラウカは粉っぽいと いう意味)。
大きな旗弁は長さ5cm ほどあり、花は枝の先に群がってつきます。
莢は20〜25cm で熟すと黄褐色になりますが、中の豆は真っ赤です。

インドネシアに赴任して最初に手掛けた仕事はジャカルタ市内に建てたサリ・パ シフィックという日系のホテルの建設でした。
現地の業者や作業員を使い、世界 中から資材を調達し、幾多の困難を克服してやっと完成したホテルのプールサイ ドに咲き乱れるこの花を眺めて、男性の本能でもある建設の喜びにひたったのが、 つい数年前のことのように思い出されます。

英名は Coral Tree、インドネシア/マレーシアでは Dadap(ダダップ)と言いま す。


ウラジロデイコ【裏白梯梧】
Erythrina glauca マメ科デイコ属

インドネシア、ジャカルタ市内で(1976年 5月)Photo by K.Iozawa

熱帯や亜熱帯に分布する樹高4〜5m の低木。

葉は3出複葉で小葉は先の尖 った卵型、長さ8〜10cm 。

花は枝先に多数つき濃い緋色で、開花すると旗 弁は下側に回り上を向いた舟形になる。

翼弁は筒形で中から8本ほどの雄し べが突き出ている。
葯は黄色。

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