「ベンガルボダイジュ」 (12月15日)


日本でボダイジュと呼ばれる木はいくつかあります。
標準和名でボダイジュと呼 ばれるのはシナノキ科のボダイジュで、ドイツ歌曲で有名な菩提樹(リンデンバ ーム)もこれと同属異種の植物です。

もう一つの菩提樹は仏教の聖木で、釈迦が その樹下で覚りをひらいたといわれるインドボダイジュ。
仏教では神聖視してイ ンド、タイなどの仏教国では寺院の庭によく植えられています。
日本の寺院でも 植えたいのでしょうが、温帯では育たないため、同名にあやかってシナノキ科の ボダイジュを植えます。
というわけでボダイジュとインドボダイジュの混同が起 こってくるわけですね(^_^;)。

ところでここにもうひとつのボダイジュ、ベンガルボダイジュがあります。
これ は猛烈な木で、横にどんどん枝を伸ばし、その枝から多くの気根を垂れます。
そ の気根は地表に達すると根を生やし、太い幹のように成長して枝を支えます。
こ うして拡がった樹冠の径は数百米に達するのだそうです。
1本の木でひとつの森 を形成するとさえ言われているのです。

そんな大きなものは見たことがありませんが、東南アジア各地では何百本もの気 根が地中に根を張り、径数十米になる大樹を形成しているのを幾つもみかけまし た。
ヒンズー教では聖木とされ、バリ島ではこの木の気根の間に仏像をまつって あるのをよく見掛けます。別名バンヤン。


ベンガルボダイジュ【ベンガル菩提樹】
Ficus benghalensis クワ科イチジク属

インドネシア、バリ島で(1975年 5月)Photo by K.Iozawa

インド原産の常緑高木で樹高30m に達する大木になる。

幹は灰白色で枝が 横に開張し、各枝から気根を垂れて幹状に育つ。

葉は卵型で10〜20

cm。

2cm 足らずの無花果型の花嚢ができる。

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