「テリハボク」 (12月22日)


ジャカルタから小型舟で6時間ほどのところにプロウ・スリブ(千島)という小 さな珊瑚礁の集まりがあります。
その一つにプロウ・プトリ(姫島)というちょ っと大きな島があり、バンガロウの点在する静かな保養地になっていました。

いまでは観光地化して飛行機も通うようになり、すっかり環境も悪化したそうで すが、当時は訪れる人も少なく、オオトカゲが人を恐れず這い回る別天地でした。
そこに泊まったとき、朝起きたら海辺から芳香が漂ってきます。
何の匂いかなと その元を尋ねあてたら、オトギリソウ科のテリハボクという木の花なのでした。

日本でも沖縄や小笠原では海岸の防風林として植栽されています。
堅い用材がと れるので「琉球紫檀」の別名があり、沖縄では「ヤラボ」と呼ぶそうです。


テリハボク【照葉木】
Calophyllum inophyllum オトギリソウ科テリハボク属

インドネシア、プロウプトゥリで(1975年 3月)Photo by K.Iozawa

インド洋岸、南太平洋岸に生える高木で樹高20m ぐらいになる。

よく枝 分かれして密な樹冠をつくり、防風林として最適。

対生する葉は長さ10 〜20cm の長楕円形で表面には光沢があり、多数の平行脈が目立つ。

円錐 花序を腋生し、直径2cm ぐらいの濃密な芳香のある4弁白花を密生する。
核果は直径2.5cm ぐらい球形で種子が一個入っている。

黄色く熟した果 皮は食べられる。

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