「アネモネ」 (2月16日)


ここ数日の暖かさに誘われたのか、早咲きのアネモネが咲き出しました。 古くからヨーロッパの鑑賞植物として改良が加えられ、バロック芸術が盛んだっ たころの静物画には、好んでアネモネの花が描かれたそうです。

アネモネの名はギリシャ神話に出てきます。
ヴィーナス(アフロディテ)の恋人 の美青年アドニスが猪と闘って死んだ時に流した血から生えたとも、そのとき流 したヴィーナスの涙から生えたとも言われていますが、学名の Anemone は風を意 味するギリシャ語 anemos から来ています。
風の通り道によく咲くので生まれた 名であるとか。
風速計のアネモメータ、空調装置の吹き出し口につけられた商品名 “アネモスタット”も同じく anemos から来た語です。

余談ですが海の生物イソギンチャクのことを英語でシー・アネモネと言います。

和名はボタンイチゲ【牡丹一華】ですが、この「一華」は「一輪の花」の意味で、 アズマイチゲ、ユキワリイチゲ、ハクサンイチゲなど、イチリンソウ属の草花に よくつけられています。


アネモネ【anemone】
Annemone coronaria キンポウゲ科イチリンソウ属

栃木県日光市・日光植物園にて(99年7月11日) Photo by Shin

地中海沿岸地方原産の多年草で、ヨーロッパで改良が進んだ園芸植物。

葉は根元につき、掌状に深く切れ込んでいる。早

春に高さ20〜30cm の花茎を 伸ばし、先端に直径 5cm ほどの花を一個つける。

花弁のように見えるのは萼 で、色は赤、紫、白など多彩。
八重咲きは菊咲きの品種もある。

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