「アセビ」 (3月7日)


それを食べると馬の足が痺れるからと、「馬酔木」と書かれるアセビ、万葉集に も詠まれて、当時はアシビと呼ばれていたようです。

葉に含まれるアセポトキシンというアルカロイドは動物の呼吸中枢を麻痺させる 作用があり、昔はこの葉を煎じて殺虫剤に使いました。汲み取り便所の蛆の発生 を防ぐには効果があったのを覚えています。

また皮膚病一般の治療にも使われていたようですが、反面濃い煎汁を取り扱うと 手が荒れるので、ウバノテヤキ(姥の手焼き)という別名もあります。

このアセビ属の総称としてアンドロメダという英名(アセビはジャパニーズアン ドロメダ)がつけられていますが、これはギリシア神話に出てくる王女で、ペル セウスの妻になった人です。ロマンチックな名ですね。


アセビ【馬酔木】
Pieris japonica ツツジ科アセビ属

奈良県奈良市・奈良公園内にて Photo by M.Takeda

山地の乾燥したところに生える常緑低木で、山形・宮城以西の本州と、四国・ 九州・屋久島に分布している。

高さ1.5〜 4m 、互生する葉は長さ 3〜 8cm で倒披針形、厚くて光沢がある。

3〜 4月ごろ、枝先に白い小さな壺形の花が多数垂れ下がる。

花がピンクまたは紅い園芸種もある。

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