「カタクリ」 (3月31日)


落葉樹林の中に春早く生え、木の葉が繁って日が当たらなくなるまでの1〜2ヶ 月の間に大急ぎで葉を拡げ、花を咲かせ、実を結ばせて、春の終わりともに姿を 消す、毎年このサイクルを繰り返す多年草を「春植物」という言葉で表します。
この「春植物」の例に必ず登場するのがカタクリです。

昔はちょっとした樹林へ 行けば、どこにでも見られたカタクリですが、いまではご多分に洩れず稀少植物 になってしまいました。
でもこのところちょっとした観察ブームが起こっていて、 あちこちで群生地が保護されているようです。

カタクリの根から取る澱粉が本当の片栗粉で、葛粉と同じように高級和菓子の材 料にしたり、熱湯に溶いて食べたりします。
しかし天然の片栗粉はそんなに採れ る筈もないので、料理用などに使う市販の片栗粉はジャガイモやサツマイモから 採った澱粉です。


カタクリ【片栗】
Erythronium japonicum ユリ科カタクリ属

青森県八戸市にて(1998年4月) Photo by K.Tamukai

北海道、本州の山地に生える多年草で、群生することが多い。

早春に長さ10 〜12cm の長楕円形の葉を 2枚拡げ、その間から長さ10〜20cm の花茎を伸ば して紅紫色または淡紅色の花を 1個つける。

花は 6弁で下向きに開くが、開 くと花弁が後ろ側に強く反り返る。

地下深く根茎があり、良質の澱粉が採れる。

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