「カラスノエンドウ」 (4月4日)


いつのまにか道端のカラスノエンドウがふさふさと繁り、紫の花が開いています。
「烏の豌豆」と思われがちですが、「野豌豆」という仲間分けがあってその中に 入るので「烏野豌豆」が正しい表記です。

カラスウリ、カラスムギなどカラスを冠した植物名はよく目にしますが、「牧野 日本植物図鑑」で数えたら12種ありました。食用や鑑賞用の栽培種があって、似 たような形の野生種がある場合、その野生種につけられる場合が多いようです。
カラスノエンドウの場合も、野生の豌豆といった意味ですが、実が熟すと莢が真 っ黒になるところからカラスの名が生まれたとする見かたもあります。

別名ヤハズノエンドウ(矢筈野豌豆)は、葉の先がくびれているところを矢筈に みたててつけられた名なのでしょう。


カラスノエンドウ【烏野豌豆】
Vicia angustifolia var. segetalis マメ科ソラマメ属

千葉県大原町で(1996年 5月)Photo by K.Iozawa


道端や原野に生える 1、2年草で、柔らかい四角状の茎が延びて60〜90cm に なる。葉は羽状複葉で小葉は 3〜7対、先端に先が 3裂した巻き髭があり、こ れで他物にからみつく。
小葉は対生し倒卵形またはやや細い倒卵形で長さ 8 〜10mm 。葉の先はやや凹んでいて、中央に小さな突起がある。

春、葉のつけ根に紫紅色の蝶形花が 1〜 3個ずつつく。花の大きさは長さ1.5 cm ほど。実の莢は長さ 3〜 5cm でほとんど無毛、中に10個ほどの豆が入って いる。

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