「ヤエザクラ」 (4月20日)


山桜に続いて咲くのが八重桜です。

八重桜という呼び名が一般的なので、表題も ヤエザクラとしましたが、植物学的にはヤエザクラという名称は存在しません。
日本のサクラを大別すると野生種と栽培種の2つに分けられますが、栽培種から ソメイヨシノを分けて「野生種」「ソメイヨシノ」「その他の栽培種」の3分類 とする分けかたもあります。

野生種をさらに分割するとヤマザクラ・ヒガンザクラ・チョウジザクラ・マメザ クラ・ミヤマザクラ・カンヒザクラの各群に分かれ、ソメイヨシノ以外の栽培種 をまとめてサトザクラ【里桜】という名で呼び、Prunus lannesiana という学名 が与えられています。
サトザクラにはフゲンゾウ・カンザン・イチヨウ・ヨウキヒ・ウコン・ギョイコ ウ・キクザクラ・ゴショザクラ・シダレザクラ・ウスズミなどよく知られた品種 が数多く含まれています。

これらの品種は一部を除いて八重咲が普通で、これらを「ヤエザクラ」と総称し ているのですね。別名ボタンザクラなどとも言っています。


フゲンゾウ【普賢象】

東京都皇居東御苑で(1984 4月)Photo by K.Iozawa


は花弁が30枚以上もある厚い八重咲きで、花の中にまた 小さな葉が2枚あるという変わった構造を持っていますが、この小さい葉は雄し べの変化したものです。

ウコン【鬱金】は花の色が黄緑色、ギョイコウ【御衣黄】は緑色と黄色の入り混 ざったところに紅色の縦線があるという特異な花弁をもっています。

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