「ハナズオウ」 (4月21日)


サクラが終わる頃になるとハナズオウの花があちこちに見られます。

葉が出ない うちに、枝や幹に紅紫色の花をたくさんつけまが、このように幹や太い枝に直接 つく花を「幹生花(カンセイカ)」といい、熱帯植物にはよく見られますが、日本では 珍しい形の植物です。
同じマメ科にスオウ【蘇芳】という黄色い花の咲く植物が あり、その幹の芯は真っ赤で古くから染料として使われてきました。
そのスオウ で染めたものを「蘇芳染(スオウゾメ)」、その色のことを「蘇芳色(スオウイロ)」と呼 ぶのですが、花の色がこの蘇芳色に似ているところからハナズオウの名が生まれ たようです。

日本には江戸時代に中国から渡来し、庭木として植えられるようになりました。

同じ仲間にアメリカハナズオウとセイヨウハナズオウがあります。


ハナズオウ【花蘇芳】
Cercis chinensis マメ科ハナズオウ属

奈良県室生村で(1977年 4月)Photo by K.Iozawa


中国原産の落葉樹。

野生のものは高木になるが、栽培されるものは高さ4m ぐらいの低木である。
葉は有柄で互生し、ほぼ円形で先がやや尖り長さ5〜 8cm 。
花は小型の蝶形花で葉に先立って開き、2年枝またはより古い枝、或 いは幹に、直接つく。

豆の莢は偏平な長楕円形で長さ5〜7cm 、葉が落ちたあとにも残っている。

昨日 戻る 明日