「エンレイソウ」 (4月25日)


漢字では「延齢草」と書き、なんか不老長寿の薬草みたいですがそれほどの薬効 はなく、干した根がせいぜい胃腸薬になる程度らしく、むしろ成分不詳の有毒植 物としている文献もあります(一戸良行著「毒草の雑学」:研成社)。

この名前の由来にはいろいろな説があり、牧野博士は語源不明としていますが、 エンレイソウをアイヌ語でエマウリと言い、これが訛化してエンレイになったの ではないかと説もあります(深津正著「植物和名の語源」:八坂書房)。

エンレイソウの仲間には花の白いミヤマエンレイソウ(シロバナエンレイソウ)、 東北・北海道に分布するオオバナエンレイソウのほか、これらの変種がいくつか あります。


エンレイソウ【延齢草】
Trilium smalii ユリ科エンレイソウ属

群馬県尻焼温泉で(1981年 5月)Photo by K.Iozawa


山地の湿ったところに生える多年草で、草丈20〜40cm。

茎の頂に大きな 菱形の葉が3枚輪生し、春4〜5月にその中央に直径3〜4cmの花が1個開 く。
花弁はさ3枚で、色は緑色から紫褐色まで変化が多い。果実は黒く熟し、 甘くて食べられる。

近縁のミヤマエンレイソウ:Trillium tschonoskii はよく似ているが、花弁 が白く、3個の萼が目立つのが特徴。

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