「ク ワ」 (4月28日)


戦前は養蚕が重要な産業でしたから、都会の小学校などでも蚕の飼育実験がカリ キュラムに組み込まれていたらしく、教室で飼っていたのを覚えています。
校庭 に桑の木が植えてあって、蚕当番は葉を摘んできては蚕に与えるのが役目でした。

私の父の実家は山形の養蚕農家で、夏休みにそこを訪ねたときに見た本格的な養 蚕の作業のこともよく覚えています。
静かな夜、たくさんの蚕が桑の葉をむさぼ り食う音がシャリシャリ、シャリシャリと聞こえるんですねえ。これが印象的で した。
今、日本にはどのくらいの養蚕農家が残っているのでしょう。

我が家の回りの藪の中に桑の木が数本あって、ここ数日の日和で一斉に花が咲き だしました。
雌株の実が赤くなると小鳥がたくさんやってきます。
少しは人間も 食べます(^_^)。


クワ【桑】
Morus bombycis  クワ科クワ属

千葉県大原町で(1995年 5月)Photo by K.Iozawa

蚕の飼料として栽培される落葉高木。

桑畑では低木に育てるが、放置すれば 高さ10〜20m になる。
葉は長さ7〜20cmで縁には大きな切れ込みがあ り、先が尖っている。雌雄異株で4月の末ごろ葉が出ると同時に花を咲かせ る。

雄花は長さ3cmぐらいの穂状で白い雄しべが目立ち、雌花は直径1cmぐ らいの球状。

果実は熟すると赤から黒に変わり、甘くて食べられる。

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