「ヤマブキ」 (4月30日)


山吹というと太田道灌にまつわる「…実の一つだになきぞ悲しき」の歌を思い出 しますが、実がならないのは変種の八重山吹の方で、普通の山吹にはちゃんと実 がなります。
山吹色とは黄色のことですが、大判・小判のことを指す隠語でもあ りますね。

ヤマブキは1属1種の植物で、日本と中国にしか分布していません。
庭に植えら ているのを見る機会の方が多いのですが、谷川の斜面などに自生し、川風に吹か れて揺れる姿から「山振り」と呼ばれたものが「山吹」に訛化した名だと言われ ています。
桜が終わったちょうど今、満開の季節です。

岡山・広島地方に自生する花の白いシロヤマブキもありますが、これはシロヤマ ブキ属という別属で、花弁が4枚です。


ヤマブキ【山吹】
Keria japonica バラ科ヤマブキ属

千葉県四街道市で(1996年 5月)Photo by K.Iozawa

山地に生える落葉低木で高さ1.5〜2m になり、縁に鋸歯があって葉脈の 目立つ葉が互生する。
春、若い枝の先に3〜5cmの5弁花を1個開く。
花弁 は5個で黄金色。変種の Keri japonica var. plena は八重咲きの園芸品種。

果実は5mm 位のやや偏平な球形で、萼の上に1〜5個つき、初め緑色、のち暗褐色となる。

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