「クマガイソウ」 (5月9日)


フローラのクマガイソウオフに行ってきました。
久し振りのオフでしたし、思ったより長い距離を歩いたのでちょっときつかった のですが、お目当てのクマガイソウは満開でちょうど見頃でした。

たまたま今日の朝日新聞朝刊千葉版にも、千葉県香取郡の方でクマガイソウを保 護しているお寺の話が出ていましたが、山野草愛好家に珍重されて乱獲が激しく、 今や絶滅が心配されている稀少種です。

クマガイソウの名は源氏の武将熊谷直実から取ったものですが、よく似ているも のにアツモリソウがあり、これは平家の平敦盛に由来しています。
袋のように大きく膨らんだ花弁(唇弁)の形を、昔の武将が矢を防ぐのに背負っ ていた母衣(ホロ)の形にみたてて、熊谷直実の母衣、平敦盛の母衣をイメージし たものなのでしよう。

一谷の合戦で熊谷直実と平敦盛は一騎討ちをし、直実が敦盛を討った史実があり、 平家物語や、歌舞伎の一谷嫩軍記(イチノタニフタバグンキ)にも出てきますが、なかなか 物語性のある面白い命名ですね。


クマガイソウ【熊谷草】
Cypripedium japonicum ラン科アツモリソウ属

千葉県四街道市で(1996年 5月)Photo by K.Iozawa

日本の特産種で、北海道の西南部から九州にかけて分布する多年草。

山野の 樹林の下、特に杉林や竹林の中に群生することが多い。
高さ20〜40cmで 茎の上部に大きな扇形の葉が向き合って開き、直径20〜30cmの円形に見 える。
葉には細かい縦皺が多い。

4月から5月にかけて茎の先に大きな花を 1個つける。唇弁は袋状で紅紫色の模様が目立つ。

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