「ノアザミ」 (5月10日)


アザミの類はたいてい夏から秋に咲き始めるのですが、ノアザミだけは春から咲 きます。
いま咲いているアザミはノアザミだと思って間違いありません。

ノアザミは紅紫色の頭花を咲かせるのが普通ですが、稀に白花種もあり、シロバ ナアザミという品種として取扱います。
頭花を支えている総苞がベタベタと粘る のがノアザミの特徴です。

花屋さんで売られているハナアザミまたはドイツアザミと呼ばれる紅色のアザミ も、このノアザミから作られた園芸品種です。

アザミは筒状花だけからなっていますが、雄しべも筒状で、虫が止まるとその刺 激で花粉がその筒の先から湧きだすように出てきます。
花粉が出尽くしてから雌 しべが延びるので、自花受粉は行われません。

やはり今頃咲く花にキツネアザミがあります。
アザミの名がついていますが、こ れはアザミの仲間ではなく、別属の植物です。


ノアザミ【野薊】
Cirsium japonicum  キク科アザミ属

千葉県大原町で(1995年 5月)Photo by K.Iozawa

草原や道端などに生える多年草で本州から九州にかけて広く分布している。

草丈60〜100cmになりよく枝分かれする。
葉は羽状に深く切れ込み、縁 には鋭い刺があって、両面に毛が生えている。

上向きに咲く頭花は直径3〜 4cmで紅紫色。

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