「ミヤコワスレ」 (5月12日)


花屋さんの店頭には、温室育ちのミヤコワスレが3月頃から姿をみせますが、露 地栽培のものはいまが盛りです。
品種改良で薄紫・ピンク・白なども出回ってい ますが、ミヤコワスレはやはり濃い紫が一番です。

承久の乱に敗れて佐渡に流された順徳天皇が、この花を愛でることで都恋しさを 忘れようとしたので、この名がついたという言い伝えがありますが、なかなか文 学的な、一種の哀感を湛える名でもありますね。
でも当時のものは恐らく原種の ミヤマヨメナであったのだろうと思います。

日陰に強く、建物の北側などでも結構咲いてくれますので、作り易い草花です。
むしろ余り日当たりのよいところは苦手のようです。

植えっぱなしでも育ちますが、3〜4年に一度ぐらいは植え拡げた方が丈夫に育 ち、花もよく咲いてくれます。
10月ごろ3〜5芽ずつに切り分けて15cm間隔 ぐらいに植え付けます。
花が終わった時期に挿し芽をしても簡単に増やせます。


ミヤコワスレ【都忘れ】
Gymnaster sabatieri キク科ミヤマヨメナ属

千葉県大原町で(1996年 5月)Photo by K.Iozawa

山地に自生するミヤマヨメナの園芸種で、江戸時代から栽培されていたとい う。

花壇の植え込みや切り花用にに栽培される多年草。
高さは30cmぐらい、 葉は艶のある濃い緑色で互生する。

頭花の舌状花は一列で、紫紺色が普通。 中心の管状花は黄色。

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