「シラン」 (5月13日)


春の庭先でおなじみのシラン、丈夫なランなのでよく増えますが、ちょっと見飽 きた感じがしないでもないですね。
この辺ではどこの家にも植えてあって、増え すぎて困る根をわけてあげようと思っても、大抵は「うちにもあるから…」と断 られてしまいます。

地下にやや偏平な球根(球茎)が数個連なっていますが、この根は止血剤などの 薬用として使われ(白及根)、また細工物の接着剤ともなるそうです。

ちょっと球根の話をしましょう。
一般に球根とは球状または塊状をした地下茎や根を言いますが、その構造によっ て次のように分類されています。

鱗 茎 短い茎を多肉状に変形した葉が取り巻いているもの(スイセン、ユリ、 チューリップ、タマネギなど)
球 茎 地下茎の一部が肥大して少数の芽を持つもの(サフラン、グラジオラス、 クワイなど)
塊 茎 地下茎の先端が肥大して多数の芽を持つもの(ジャガイモなど)
根 茎 根のようにみえるが、節があって構造的には茎であるもの(ハス、タケ など)
塊 根 根が肥大したもの(ダリア、サツマイモなど)


シラン【紫蘭】
Bletilla striata ラン科シラン属

東京都立薬用植物園にて(1998年 5月) Photo by K.Hatano

西日本の草原に自生し、観賞用に各地で栽培される多年草。

地下の球茎 はやや偏平な球状で白色、数個連なる。
葉は通常4〜5枚で、広披針形、 長さ20〜30cm。

花茎は30〜60cmになり、5月頃紅紫色の花を数 個つける。
花は直径4〜5cm。

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