「アヤメ」 (5月20日) |
「いずれがあやめ、かきつばた」とは美女の集まりを讃えていう言葉ですが、こ の言葉のはじまりは「源平盛衰記」にでてきます。 源頼政が天皇から美女菖蒲前(アヤメノマエ)を賜るとき、数人の美女の中から「菖蒲 前を選んでみよ」と天皇に試された頼政が答えかねて、「水辺に咲く花はどれも 美しくて、どれが何だかわかりません。あやめという花はどれでしょうか」とい う意味の歌を詠み、天皇を感心させたという話なんですが、この話がもとになっ て「いずれがあやめ、かきつばた」という褒め言葉が生まれたということになっ ています。 「あやめ」の語源は葉が交互にかさなっているさまを「綾目(アヤメ)」といったも の、或いは垂れ下がった外花被にある網目模様を指して「綾目」といったものと いう説があります。 カキツバタは外花被の模様が一本の線ですが、アヤメの模様は鮮やかな網目なの で区別できます。
アヤメ【菖蒲】 Iris sanguinea アヤメ科アヤメ属 | |
東京都江東区亀島公園で (1985年 5月) Photo by K.Iozawa |
山野の草地に生える多年草で、北海道から九州までの全国に分布し、庭や公
園にもよく植えられている。 高さは30〜60cm、葉は巾1cmほどで、5〜 6月頃茎の先に青紫色の花を2〜3個つける。 外側の3枚の花弁(外花被片)
は垂れ下がり、内面の基部に黄色と白の鮮やかな網目模様がある。 |