「マツヨイグサ」 (5月22日)


マツヨイグサは夕方から咲き始めるので、俗に「月見草」と呼ばれていますが、 ツキミソウは近縁ではあるものの、白い花の咲く別種ですので混同を避けたいも のです。

マツヨイグサは帰化植物ですが、大正末期から昭和のはじめにかけて関東以南に 大繁殖し、河原などを埋め尽くす程に繁茂しました。当時は夕方の多摩川の河原 がまっ黄色に染まるほどでした。
子どものころ大森に住んでいたので、よく祖母 に連れられて夕方の散歩がてら見に行きました。
その眺めをいまだによく覚えて います。
その後急速に減って、いまではめっきり少なくなっています。

同じ仲間にオオマツヨイグサがあって、名前通り大きな花が咲きますが、マツヨ イグサより後に渡来し、はじめ鑑賞用として栽培されていたものが野生化しまし た。
しかし先住のマツヨイグサを駆逐するに至らず、いまでは殆どみられません。
同じ仲間にはこのほかにメマツヨイグサ、コマツヨイグサ、アレチマツヨイグサ、 ヒナマツヨイグサなどがあります。

「宵待草:ヨイマチグサ」はオオマツヨイグサの別称です。


マツヨイグサ【待宵草】
Oenothera stricta アカバナ科マツヨイグサ属

千葉県大原町で (1995年 5月) Photo by K.Iozawa

南米原産の多年草で1851年ごろに渡来し、はじめは植栽されたが後に野生化 した。

茎は高さ30〜90cm、根元の葉は線状披針形、上部のものは披針形 で対生する。

花は直径3〜4cmで4弁、夕方開いたときは黄色で、萎むと黄 赤色に変わる。
果実は長さ4cmほどの紡錘形で、熟すと4裂して外側に反り、 多数の種子をこぼす。

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