「ノイバラ」 (5月29日)


いまの時期、野山にはノイバラが盛りです。
イバラとバラはどう違うの? とい う質問を受けたことがありますが、イバラ【茨・棘・荊】はとげのある小木の総 称で、必ずしも「バラ」だけを指すものではありません。例えばサルトリイバラ という植物はバラの仲間ではありませんし、一般名詞として「茨の道」というよ うな使い方もあります。

しかし「薔薇」と書いて「イバラ」と読み「茨」の意味を表す場合もあるので、 日本語の難しいところです(^_^;)。
また、植物の「とげ」そのもののことを指す場合もあります。

ノイバラは日本の野生バラの代表種ですが、このほかに山野に咲く野生バラには、 テリハノイバラ、サンショウバラ、アズマイバラ、タカネイバラなどがあり、こ れらを総称してノバラ【野薔薇】と言っていますね。
北国の浜辺に咲くハマナス も野生バラの一種です。


ノイバラ【野茨】
Rosa multiflora バラ科バラ属

千葉県大原町で (1996年 5月)Photo by K.Iozawa

北海道から九州までのいたるところの川岸や原野などに普通に見られる落葉 低木で、高さは2m ほどになる。

枝には多数の刺があり、葉は奇数羽状複葉 で互生。
小葉は2〜4対あり、表面に光沢がない。5〜6月ごろ、枝先に芳 香のある白い5弁花を多数開く。

花の直径は2cmぐらい。直径1cmほどの果 実がなり、秋に赤く熟す。

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