「アブラギリ」 (6月3日)


初夏は白い花の季節で、このシリーズも白花が続いています。そしてきょうもま た白い花。

我が家の近くにアブラギリの大木が数本あります。
毎年6月の初め、高い木のて っぺんに白い花をたくさん咲かせますが、大きな葉に隠れて、下から見上げたの ではちょっと気がつきません。
幸い斜面の中腹に生えているので、私のパソコン ルームからはさほど高くない位置に花がよく見えるのです。

いまは和傘を殆ど見掛けなくなりましたが、蛇の目傘や番傘に張る油紙は、この アブラギリの実から採った桐油(トウユ)を塗って作りました。
そのほか紙製の雨合 羽や、防水の包装紙など、桐油を塗った油紙の需要は多かったのです。

その桐油を採るために農家ではよくアブラギリを植えていたものらしいのですが、 いまでは殆ど役立たずの雑木として放置されているようです。
いつか突然伐られ てしまう運命にあるのかも知れません。


アブラギリ【油桐】
Aleurites cordata トウダイグサ科アブラギリ属

千葉県大原町で(1996年 6月)Photo by K.Iozawa

中国原産の落葉高木。
かつては種子から油を採るために栽培されていたが、 近年は需要が減って半野生化しているものが多い。

高さ8〜10m 、葉は長さ10〜20cmの大型で、キリの葉に似たハート形 で、浅く3裂していることもある。

5〜6月枝先に直径4センチほどの白い花を多数咲かせるが雌雄異花で、雄 花と雌花は別々の花序を作る。

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