「シャクヤク」 (6月6日)


ボタンに続いて艶やかに咲くシャクヤクも、そろそろ終わりの時期ですね。

ボタンと前後して奈良時代に渡来したと言われていますが、当初は薬草としての 栽培が目的で、その根を乾燥したものは腹痛・胃痙攣などの鎮痛剤として広く用 いられていました。

シャクヤクの名は「癪薬」が語源だと言われていますが、「癪」とは胸部や腹部 に起こる激痛の発作のことを言い、「癪の薬」という意味であったものと思われ ます。
鑑賞用に品種改良が盛んになったのは元禄時代になってからのことだそう ですが。
シャクヤクはボタンの台木としても重要な役割を果たしています。

西欧では昔からシャクヤクには魔力があると信じられていて、花を切ってはいけ ないとされているようです。

シャクヤクは寒さに強く、ボタンよりも育て易いのですが、1株の花の数は10 個ぐらいに制限し、あとは蕾のうちに摘み取ります。
定植した翌春は蕾を全て摘 み取って花を咲かせないようにするのが、翌年から花数多く咲かせるコツです。


シャクヤク【芍薬】
Paeonia lactiflora ボタン科ボタン属

千葉県船橋市にて(1999年5月) Photo by K.Hoshino

中国北部〜シベリア原産の多年草。

高さ60〜80cmになり、下部の葉は2 回3出複葉(3枚の小葉からなる複葉の小葉が、更に3枚複葉になっている) で、上部に行くほど単純になり、最上部では単葉になる。
5〜6月ごろ、直 径20cmほどの大きな花が咲く。

花の形や色は多彩で、八重が多いが一重咲 きもあり、色は白、紅色、ピンク、黄色など。

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