「ハナショウブ」 (6月9日)


関東地方も梅雨に入ったようですが、同時にハナショウブの季節到来でもあり ますね。
アヤメの仲間では何と言ってもハナショウブが一番華麗ですし、改良 も進んで愛好者も大勢います。

東京近辺でハナショウブの見所といえば水元公園がまずあげられますが、堀切 菖蒲園や京王百花苑、生田緑地なども昔から有名です。
あまり知られていない ようですが、明治神宮内苑(旧御苑)の菖蒲園も一見の価値があります。

ハナショウブは野性のノハナショウブを原種にして改良を重ねた結果、いまの ような多品種が生まれたものですが、大別すると江戸系・熊本系・伊勢系に分 けられます。
江戸系は現在堀切菖蒲園のある堀切近辺で作られたものらしく、 原種に近い単純なものが多いのですが、熊本系は武家によって栽培されていた もので大型の品種です。
伊勢系は三重県で改良が行われた比較的新しい品種で、 花弁が垂れ下がるのが特徴です。

端午の節句に使うショウブ【菖蒲】とよく混同されますが、ショウブはサトイ モ科の植物で花は美しくありません。
葉が似ているので「花の美しい菖蒲」と いう意味でつけられた名なのでしょう。


ハナショウブ【花菖蒲】
Iris ensata アヤメ科アヤメ属

千葉県大原町で(1995年 6月)Photo by K.Iozawa

水辺などに栽培する多年草で、高さ60〜80cmになり群生する。

葉は直 立した剣状で中脈が隆起しているのが特徴。
初夏、葉の間から花茎を伸ば し、頂の2枚の苞の間から大型の花を開く。

花の直径は大きいもので15 cmになり、外花被3枚は大きく内花被3枚はやや小さい。
内花被は外花被 と交互に位置し、一見6弁に見える。
紫・白・絞りなど色の種類は多い。

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