「クチナシ」 (6月15日)


梅雨の晴れ間に庭へ出てみたら、昨日まで蕾だったクチナシが数輪開いていまし た。湿った空気に芳香が漂います。

クチナシは「口無し」で、ラクビーボールのような実がいつまでも口を開けない のでそう言ったものというのが定説になっていますが、その実を小さい梨にみて ヘビイチゴと同じようにヘビナシ、ヘビをクチナワに言い換えてクチナワナシ、 これが詰まってクチナシになったのでは、という説もあります(「中村 浩 著 『植物名の由来』:東京書籍」による)。

漢名は「梔子(シシ)」ですが、「梔」は酒などを入れる容器です。実の形がこれ に似ているので「小さい梔」という意味であろうと思われます。

クチナシの実からは黄色い染料が採れ、乾燥した種子は漢方薬に使われます。
また、乾燥した実を粉末にし、同量の小麦粉と混ぜて酢で練ったものは、打撲や 腰痛の消炎剤として患部に塗るとよく効くそうです(千葉県薬草園で得た情報)。


クチナシ【梔子】
Gardenia jasminoides アカネ科クチナシ属

千葉県大原町で(1995年 6月)Photo by K.Iozawa

日本西南部から中国、フィリッピンまでの暖地に自生する常緑低木で、庭木 としても植えられている。

葉は長楕円形で光沢があり、対生する。

6〜7月 に枝先に直径5〜6cm の白い5弁花を開き、芳香を放つ。

果実は長楕円形で 長さ約2.5cm。
秋に橙黄色に熟する。八重咲きの園芸種もある。

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