「ドクダミ」 (6月16日)


健康食品ブームでドクダミ茶に人気があるようですが、昔はドクダミと言えば “おでき”の薬でした。
たいていの腫れ物はドクダミの葉を炭火で炙ったもの を潰して塗っておくと、膿が出てすぐ治ったものです。
小さな切り傷には生の 葉をちょっと揉んでペタンと貼りました。
子どもでもみんな知っている応急手 当てだったのです。

このほかにもいろいろの薬効があるところから「十薬」という別名もあり、昔 の人はこの名の方を好んで使ったいたようです。

ドクダミは「毒を矯(タ)める」という意味でつけられた名のようですが、JI S第二水準にもない難しい漢字を当てるほか「毒痛」と書くこともあります。
白い4弁花に見えるのは苞で、黄色い穂のようなものが小さい花の集まりです。

夏になると葉の半分が白くなる「半夏生(ハンゲショウ)」という草がありますが、 これもドクダミ科で、日本にはドクダミ科の植物はこの2属しかありません。


ドクダミ
Houttuynia cordata ドクダミ科ドクダミ属

千葉県大原町で(1996年 6月)Photo by K.Iozawa

本州から九州までの各地の日陰や湿地に生える多年草で、全草に特有の臭気 がある。

高さは20〜30cm になり、葉は互生し、長さ5cm ほどのハート 形で先は尖っている。

6〜7月頃、茎の先に白い4弁の苞を開き、その中心 に花弁のない小さい花を多数穂状につける。

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