「ホタルブクロ」 (6月17日)


庭の片隅にホタルブクロの花が揺れています。

蛍をこの花に入れて遊んだから「蛍袋」という名がついたというのが定説になっ ていますが、その形が提灯に似ているところから、提灯の別名「火垂る」からき ているのでは、という説もあります(中村浩著『植物名の由来』:東京書籍)。

蛍を入れないまでもつい摘んでしまいたくなる花ですが、ちぎると切り口から白 い乳液が出てべたべたします。
深い花筒を割くと棍棒のような長い雌しべと、釣 針のように曲がった5本の雄しべが目立ちます。

日本の草なので特に英名はないようですが、「紫斑風鈴草」という中国名があり ます。
園芸種のカンパヌラ類は同属です。


ホタルブクロ【蛍袋】
Campanula puncutata キキョウ科ホタルブクロ属

千葉県大原町で(1996年 6月)8mmビデオ画像 K.Iozawa

北海道西南部から九州にかけての山野に生える多年草。

高さ40〜80cm に なり、全草に粗い毛が生えている。
葉は互生し、長さ5〜8cm の卵形で先は 尖っている。
下部のものには翼のついた柄があるが、上部に移るに従い柄が なくなる。

6〜7月、淡紅色または白色の花が下向きに咲く。
花は長さ4〜 5cm の釣り鐘形で先は浅く5裂し、内面に暗紫色の斑点がある。

変種のヤマホタルブクロ:Campanula puncutata var. hondoensis は標高の 高いところに生え、花色の濃いものが多い。

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