「ナツツバキ」 (6月20日)


近くに花好きの独居老人がいて、ときどきお庭を拝見に行くのですが、2〜3 日前からナツツバキが咲いています。

インド原産の植物で沙羅(サラ または シャラ)という大木があります。
釈迦が死を 迎えた場所に2本ずつ4本植えてあったということから沙羅双樹とも言われてい て、平家物語の冒頭にも出て来ますが、日本ではどういうわけかナツツバキのこ とを「沙羅(シャラ)」といいますね。
科も違うし花の形などまるで違うのに、な ぜ「夏椿」が「沙羅」になったのかよくわかりません。
お寺の境内によく植えて あるのを見掛けますが、本物の沙羅の代用なんでしょうか。

更に、よく似た小型の花の咲くヒメシャラという木は、この名が標準和名になっ ているのでまたまた混乱させられる話です。

樹皮が滑らかで光沢があるので、百日紅と同じサルスベリの別名もあります。
種小名の pseudo-camellia は「偽椿」の意味ですが、Japanese Stewartia とい う英名もあります。


ナツツバキ【夏椿】
Stewartia pseudo-camellia ツバキ科ナツツバキ属

千葉県大原町で(1996年 6月)Photo by K.Iozawa

宮城県以南の本州から九州にかけての山地に生える落葉高木で高さは10 〜15m になり、庭や公園などにも植えられている。

互生する葉は、長さ 10cm に達するものもあり、裏面全体に柔らかい毛が生えている。

6〜7月に直径5〜7cm の大きな白い花を開く。
花弁は5枚で、縁が細か く切れ込んでいるのが特徴。

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