「キョウチクトウ」 (6月25日)


夏の花とされているキョウチクトウですが、梅雨の最中にもう咲き始めています。

大気汚染に強いので、都市公園の植え込みや高速道路の分離帯などによく植えら れるのですが、夏の炎天にも耐える頑健な植物です。
樹皮や根に有毒成分をもつ ので、無闇に枝を噛んだりしてはいけません。
この成分を適量に用いると強心剤 になるそうですが、量を誤ると心臓が止まるほどの強い成分らしいです。

漢名は狭竹桃で、葉が竹に似、花が桃に似るところからつけられた名だそうです が、和名もこの名をそのまま使っています。

俗にオレアンダーと呼ばれていますが、これは近縁のセイヨウキョウチクトウ 【西洋夾竹桃】:Nerium oleander からきたものです。
この両種は酷似していて ほとんど見分けがつきませんが、キョウチクトウの花にはほのかな甘い香りがあ るのに対し、セイヨウキョウチクトウの方は匂いません。

そういうわけで英名は Sweet-scent Oleander というのが正しいようです。


キョウチクトウ【夾竹桃】
Nerium indicum キョウチクトウ科キョウチクトウ属

千葉県大原町で(1996年 6月)Photo by K.Iozawa

インド原産の常緑低木で高さ3m 内外になる。

根元からよく分岐して束生す るのが普通。
葉は長さ15〜25cm の巾の狭い柳葉状で3枚輪生する。

6〜9月、枝の先に花弁のややねじれた5弁花を多数咲かせる。
花弁の内側 に先が細かく分かれた副花冠をもっているのが特徴。
花の直径は4cm ぐら い。

色は紫紅色、赤、白など。白花のものをシロバナキョウチクトウとして 別品種に扱う場合もある。

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