「スイレン・(2)」 (6月27日)


東南アジアの植物園と言えば、赤道に最も近い世界屈指の熱帯植物園であるシン ガポール植物園と、1万6千種のコレクションを誇る世界一の熱帯植物園、イン ドネシアのボゴール植物園です。

どちらの植物園にもスイレンの池があって、各 種の熱帯スイレンが栽培されていますが、朝早く訪れると夜咲きの品種が見られ ます。昼咲きの品種と夜咲きの品種は交配が難しいらしく、夜咲きには黄色系と 青色系がまだ作られていません。

日本にも熱帯スイレンは意外に古くから渡来しており、大正時代には既に数種が 栽培されていたそうです。
戦争のために一時頓挫したものの、戦後はまた改良が 盛んになって、現在では100種以上を数えるようになっています。

夜咲きではプライド・オブ・カリフォルニア、昼咲きではミセス・プリングなど が有名です。

古代のエジプトではスイレンの花が美の象徴とされ、神殿の柱の装飾模様などに 残っていますが、蕾のスイレン、開いたスイレンなどと状態によって別な名詞が 使われていたのだそうです。
スザンナ、スーザンなどの女性の名はセシエンとい う開いたスイレンを表す言葉が変化したものであるとのこと(週間朝日百科「植 物の世界」No.97より)。

インドネシア・メダン市で(1980年 9月)Photo by K.Iozawa

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