「ヤブカンゾウ」 (7月11)


台風一過、今日は朝から真夏の日差しです。

裏の空き地にヤブカンゾウが咲いています。
一緒に咲いていたヤマユリは 昨日の嵐で無残に千切れましたが、一日一花のカンゾウは何事もなかったよう に新しい花を開きました。

原野に生えるノカンゾウとよく似ていますが、ノカンゾウが一重咲きなのに対 し、ヤブカンゾウは八重咲きになります。

カンゾウは「萱草」と書きますが、昔は「わすれ草」と言ったらしく、万葉集 にも数首詠まれています。
萱草を衣服につけておくと苦しいことを忘れること ができるという言い伝えがあったらしく、「萱草を紐につけて身を焦がす苦し い恋の想いを忘れよう」という意味の歌もありしますし、「あなたのことを忘 れようと萱草を身につけてみたが、忘れることなどできはしない。忘れ草など といいかげんな事を言うな」という意味の歌もありますね。


ヤブカンゾウ【藪萱草】
Hemerocallis fulva var. kwanso ユリ科ワスレグサ属

千葉県大原町で(1996年 7月)Photo by K.Iozawa

大昔に中国から渡来したものと言われている多年草で、林の縁などによく生 える。

高さは80〜100cm に達し、葉は巾の広い線形で元は重なりあって いる。
梅雨の明けるころ、長い花茎を伸ばして先端が2つに分かれ、それぞ れに数個の花を順に開く。

花は内外3枚ずつの花被6枚と、花弁状に変化し た雌しべと雄しべで八重咲きの形になる。
花の大きさは8cm ぐらい、色は橙 赤色で花被の内面に黄色い筋がある。

ユウスゲ、ニッコウキスゲも同属。

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