「イチビ」 (7月24日)


家のすぐそばに植木屋の畑がありますが、よく手入れされた苗畑のまわりにイチ ビが数本花を咲かせています。
昔はこのあたりでも栽培されていたそうですから、 それらの一部が野生化してしぶとく生き残っているのでしょうか。

イチビはチャイナ・ジュートの名で知られる繊維植物で、昔は野良着用の布を織る 繊維を自給自足するために栽培されていたようですが、丈夫な繊維が畳表を織る 糸に使われてもいたそうです。
このように麻の代用にされ、葉が桐の葉に似てい るところからキリアサの別名もあります。

皮を剥いだ残りの芯で作った炭は火移りがよいので火口(ホクチ:燧で打ち出した火 を移しとるもの)として使ったことでもよく知られています。

漢字表記は漢名をそのまま使いますが、JIS漢字にはない文字なので、ここには書 けません(^_^;)。

英名は Chinajute です。


イチビ
Abutilon theophrasti アオイ科イチビ属

千葉県大原町で(1996年 7月)Photo by K.Iozawa

インド原産と言われる1年草。

古く中国から渡来し、繊維植物として栽培され たが、いまでは殆ど栽培されることはなく、野生化して帰化植物となってい る。
高さ1〜2m になり、全体に柔らかい毛が生えている。

大きなハート形 の葉には長い柄があって互生する。

6〜7月、分岐した枝の頂部に直径2cm ほどの黄色い5弁花をつける。

果実 は直径2cm ほどの半球形で、15〜6個の実が集合したもの。

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