「ナツズイセン」 (8月5日)


ナツズイセンは変わった植物です。
秋になると地下の球根から白みがかった緑色 の線形の葉をたくさん地上に出し、やがて花茎が伸びるのかと思うとさにあらず、 翌年の春には枯れてしまいます。

そして何もなくなったところに、8月ごろ突然蕾が地表に現れるのです。
柔らか い花茎が先端に蕾を乗せたままぐんぐん伸びて60cm ぐらいに達すると、その蕾 が綻びてやや青みを帯びた淡いピンクの花が開きます。
何もないところにいきな り花が咲くのですから、まさに唐突といった感じですね。

ナツズイセンはヒガンバナ属ですが、この属にはヒガンバナのように先に花が咲 いてあとから葉が出るものと、このナツズイセンのように葉が出て一旦枯れ、あ とで花だけが地上にでてくるものとがあります。
後者の仲間には、ショウキラン、 キツネノカミソリ、シロバナマンジュシャゲ、園芸種のリコリスなどがあります。


ナツズイセン【夏水仙】
Lycoris squamigera ヒガンバナ科ヒガンバナ属

千葉県大原町で(1996年 8月)Photo by K.Iozawa

中国原産の多年草。

本州中部以北の山地に自生しているものもあるが、普通 は鑑賞用に栽培されている。

1本の茎に5〜7個の大型の花外向きに開き、 直径10cm 近くになる。

花被片は6で、雄しべ6本雌しべ1本は共に長い。

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