「ヘクソカズラ」 (8月24日)


変な名前の植物の例として必ず持ち出されるのがこれ。

たしかに葉や茎を摘んで揉んでみるといやな臭いがしますが、なにもこんな名を つけなくともいいのに、と誰でも思います。
そのせいでもないでしょうが、この 花にはサオトメバナという別名があり、その由来はこの花が水溜まりに落ちて並 んだ姿が田植えをする早乙女を連想するからということですし、もう一つの別名 ヤイトバナは、子どもがこの花を逆さに置いて灸をすえるまねをしたからとも、 中心が赤い花の形が灸の火傷の跡ににているからとも言われています。

標準和名はヘクソカズラなんですが、この名をいやがってヤイトバナと呼ぶ人が 多いですね。
花そのものはどうしてなかなか可憐な趣を持つ花です。

いまの時期、ちょっとした藪や垣根に絡まって咲いているのをよく見掛けます。


ヘクソカズラ【屁糞蔓】
Paederia scandens アカネ科ヘクソカズラ属

千葉県大原町で(1995年 8月)Photo by K.Iozawa

日本全土に分布する蔓性の多年草で、藪や林の縁に多く自生する。

茎は他物に絡みついて長く伸び、対生する葉は長さ4〜10cm の細長い卵形 で先は尖る。

8〜9月、葉腋に数個の花をつける。
花は灰白色の釣鐘状で中心 部は紅紫色。
口は5裂して水平に開く。

果実は6mm ぐらいの球形で黄褐色に 熟し、火傷の薬になるという。

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