「シュウカイドウ」 (9月3日)


春に咲くバラ科のカイドウ【海棠】に対して、秋に咲くのはシュウカイドウ【秋 海棠】です。
あまり似ているとも思えないのですが、古人は花の垂れ下がった風 情に共通の趣を見いだしたものなのでしょうか。
和風の庭によく似合う植物です。

ベコニアの仲間ですが原産は中国で、日本には江戸時代に渡来したと言われてい ます。
野生化して群生しているのも見られますが、これは栽培種が逃げだしたも のでしょう。
栽培種の種が広まって野生化してしまうことを逸出(イッシュツ)と言い ます。

湿った日陰を好むので、建物の北側に育つ数少ない植物のひとつです。


シュウカイドウ【秋海棠】
Begonia evansiana シュウカイドウ科シュウカイドウ属

埼玉県秩父市で(1986年 9月)Photo by K.Iozawa

中国産の多年草で高さは60〜100cm 、茎も葉も軟らかく、互生する葉 はやや左右非対象の長いハート形で皺が目立つ。

晩夏から中秋にかけて、茎の先や葉のつけねに淡紅色または白色の花が垂れ 下がって咲く。
雌雄同株で同じ株に雄花と雌花がつくが、先に雄花が咲き、 あとから咲くのが雌花(雄性先熟)。

花とは別に葉のつけねにムカゴができ、晩秋これが地に落ちて芽を出す。

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