「ヌスビトハギ」 (9月7日)


果実の形が盗人の足跡に似ているから、知らぬ間に人に取りつく様子が盗人のよ うだから、などとその名前の由来はいくつかあるのですが、秋の野を歩いてヌス ビトハギの実にとっつかれた経験をお持ちの方は多いと思います。
ストッキング が破れるので、ご婦人には嫌われますね(^_^)。

普通1個の莢に2個の豆が入っていますが、エダマメなどと違って豆と豆の間に 深い切れ込みがあり、1個分は半円形をしています。
熟すと1個ずつに分かれる のですが、ちょうど眼鏡のような形で、レンズ1枚ずつに分かれるという案配で す。
種子と種子の間に区切りのあるこういう形の果実を節果(セッカ)と言い、ヌス ビトハギ属の特徴です。

この莢に微細な鉤形の毛が生えていて、これで人の衣類や動物の体毛に付着して 遠くへ運ばれるのです。


ヌスビトハギ【盗人萩】
Desmodium podocarpum ssp. oxyphyllum マメ科ヌスビトハギ属

千葉県大原町で(1995年 9月)Photo by K.Iozawa

日本全土に分布し、草地や道端などに生える多年草。

高さ30〜120cm になり、葉は3枚複葉で長い柄があって互生する。

先端の小葉が最も大きく 菱形に近い長卵形で長さ4〜8cm 。
7〜9月に多数の小花を穂状につける。

花は紅紫色を帯びて長さ3〜5mm

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