「クズ」 (9月12日)


漢方薬のなかでよく知られているものに葛根湯(カッコントウ)があります。
これは秋 の七草のひとつであるクズの根を乾燥して作った葛根(カッコン)を主剤とし、これ に麻黄・生姜その他を混ぜて煎じたものです。
風邪によく効くそうですね。

そのほか根の澱粉は葛粉となり、茎の繊維で葛布(クズフ)を織るなど、なかなか 有用な植物なんですが、山野にはびこって手に負えなくなるという反面もありま す。
河川の堤防やダムの補強に役立つとアメリカで一時もてはやされたこともあ ったようですが、その繁殖力の旺盛さに、いまでは逆に厄介もの扱いをされてい るとか・・・・・・。

蔓の猛々しさに似合わず、美しい花がさきます。
近くの荒れ地でも花盛りです。


クズ【葛】
Pueraria lobata マメ科クズ属

東京都奥多摩で(1978年 9月)Photo by K.Iozawa

北海道から九州までの山野に見られる蔓性の多年草。

茎の長さは10m 以上 にもなり、盛んに枝分かれして他物に巻きつく。

葉は3枚複葉で互生し、小 葉は長さ10〜15cm の円形または楕円形で裏面は白っぽい。

晩夏から初秋にかけて紅紫色の蝶形花を多数ひらく。
花の大きさは2cm ぐら いで、長さ5〜10cm の豆果ができる。

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