「フヨウ」 (9月21日)


フヨウは夏から秋にかけて、直径10〜15cm の大きな淡紅色の五弁花を開き ますが一日花で、朝開いて夕方には色が濃く変わって萎みます。

夕方になると色が濃くなるのはフヨウ属の特徴のようで、亜熱帯や熱帯の海岸に 生えるオオハマボウ(シーハイビスカス)の黄色い花も、夕方には真っ赤に変わ り、落ちた花で砂浜が真っ赤な絨毯を敷いたようになります。

時期的にも秋が深まると色が濃くなるようで、沖縄では同じ仲間のハイビスカス の花の色が濃くなると、秋になったなぁ、と言われるそうですね。

中国名の「芙蓉」はハスのことで、フヨウは「木芙蓉」と書きます。
富士山の別名「芙蓉峯」はハスではなくてフヨウの方らしいですね。この名の由 来はちょっと判りません。

芙蓉にはもう一つ、「芙蓉の顔(カンバセ)」などと美人の形容詞に使われますね。
女子寮の名前に「芙蓉寮」というのが多い所以です。


フヨウ【芙蓉】
Hibiscus mutabilis アオイ科フヨウ属

千葉県大原町で(1986年 9月)Photo by K.Iozawa

原産地は中国南部、台湾とされているが、日本でも沖縄や九州南部では自生 も見られる。
古くから庭木として植えられている落葉低木で、高さ3m ぐら いまで大きくなる。

葉は大型で巾10〜20cm 、掌状に切れ込んでいて、枝 とともに細かく軟らかい毛が多い。

花は大型の5弁花で雌しべは筒状になって長く伸び、その途中から雄しべが 多数出ている。

果実は直径2cm 前後の球形で、熟すと5つに割れて多数の 種子を零す。

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