「シオン」 (9月23日)


シオン【紫苑】は秋の季語になっていますが、源氏物語や枕草紙にも現れている ほどで、ずっと昔から栽培されていたようです。

根を煎じで鎮咳(チンガイ)剤や 去痰(キョタン)剤にするなど、最初は薬草として渡来したものだと言われています。
シオニ、オニノシコグサなどの別名もあります。

シオン属は種類が多く世界に約400種あるそうですが、いわゆる「野菊」と呼ばれ ているキク類はシオン属のものが多いですね。
属名の Aster(アステル)は「星」を 意味するラテン語ですが、これを英語読みにしたアスターは、日本ではエゾギク のことです。
ちょっとややこしいのですが、これはエゾギクの英名チャイナ・ア スターのチャイナを省略してエゾギクの園芸名としたために起こった混同だと思 います。


シオン【紫苑】:
Aster tartaricus キク科シオン属

千葉県大原町で(1996年 9月)Photo by K.Iozawa

シベリア・モンゴル・朝鮮半島・中国北部などに分布している大型の多年草。

日本でも中国地方・四国・九州に自生がみられるが、全国的に栽培もされて いて、鑑賞用の草花としてはごく普通にみられる。

茎は堅く、直立して高さ1.5m から2m に達し、根元からは柄のある大き なへら型の葉が群生し、茎にも少し小型の葉が互生している。
茎や葉にはざ らざらした毛がはえている。

初秋に茎の先が分岐して多数の花を開き、花の直径は3cm ぐらいで、中央 は黄色い頭状花、周囲には淡紫色または紫青色の舌状花を放射状につける。

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