「ヒガンバナ」 (9月24日)


秋のお彼岸になるとあちこちでヒガンバナが目立つようになります。
実に正確に 秋分前後に咲くので感心します。

玉葱のような鱗茎(球根)があり、これにリコリンという有毒物質を含んでいる ので有毒植物とされていますが、この物質は水に溶けやすいので、鱗茎からとっ た澱粉は水に晒せば無害となり、食用になります。
茎や花は全く無毒ですから、 地上部分は切り花などに利用できます。

別名をマンジュシャゲ【曼珠沙華】と言い、また墓地によく生えるところから、 シビトバナ、ジャンボンバナなどというあまり感じのよくない別名が多いので、 つい縁起の悪い花、不吉な花とされるのかも知れませんが、よくみるととても美 しい花で、人に嫌われるのが気の毒な気がします。

白っぽい花を咲かせる種類もありますが、これはシロバナヒガンバナという別種 で、ショウキランという同じヒガンバナ科の植物とヒガンバナとの雑種であると 考えられています。


ヒガンバナ【彼岸花】
Lycoris radiata ヒガンバナ科ヒガンバナ属

東京都小金井市で(1981年 9月)Photo by K.Iozawa

原産は中国で、日本には古くから渡来していた。

日本全土の田の畦や土手、墓地、人家のまわりなどに生えて群生することが 多く、秋の彼岸ごろ葉に先立って高さ30〜50cm ぐらいの茎が地中から伸 び、その先端に赤色の美しい花が数個、横向きに輪生する。

一個の花は細い6弁で外側に反りかえり、縁がちじれている。
雌しべと6本の 雄しべは長く突き出ており、同じ赤色。

花が終わった晩秋になって葉が延び出し、葉は光沢のある濃い緑色で細長く、 長さ30〜60cm 。
翌年3月ごろには枯れる。

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