「アイ」 (10月4日)


藍染の染料をとる「藍」は、なんとなくもう少し見栄えのする花が咲くような気 がするのですが、なんのことはないイヌタデのアカマンマとそっくりです。
同属 だからあたりまえではあるんですが…。

殆どの植物はいわゆる草木染の染料になるそうですが、青色を染める植物は少な く、アイのほかにはクサギの実、ツユクサの花、ナスの果皮ぐらいなものです。
藍染は江戸時代中期から明治の中頃まで盛んに行われましたが、今では化学染料 に押されて急速に衰退し、工芸分野にのみ辛うじて残されています。

アイの葉を醗酵させた藍玉というものを水に溶かし、この液に浸した布をゆり動 かしたり、絞ったり、拡げて空気に晒したりして染めます。
徳島県北部が昔から のアイの産地で、このあたりでは今でも伝統工芸として藍染が行われているよう ですね。


アイ【藍】
Polygonum tinctorium タデ科タデ属

千葉県大多喜町で(1996年 9月)Photo by K.Iozawa

東南アジア原産の1年草で、高さ50〜70cm になる。

茎は紅紫色を帯び、 長さ5〜15cm の長円形または広披針形の葉が互生する。

夏の終わりから 秋に茎の上部の葉腋から花茎を出し、紅色または淡紅色の花を穂状に密生す る。

全体がイヌタデによく似ている。

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