「モミジガサ」 (10月12日)


山菜愛好家の間では東北地方の呼びなであるシドケが通り名になっているようで すが、綿毛に包まれた若い葉はお浸しや天ぷらにすると美味です。
山地には群生 していますし嵩があるので、春の山菜採りには入れ物を膨らませてくれます。

モミジガサの名は「モミジの葉の形の傘」という意味だと思われますが、このコ ウモリソウ属にはコウモリソウ、カニコウモリなど似たような形のものが他にも ありますが、まさしく“名は体を表す”で、コウモリソウの葉ははコウモリの翼 を拡げた形に、カニコウモリの葉はカニの甲羅にそっくりです。

名前の似たものにヤブレガサがありますが、これは属が異なります。
ヤブレガサ は若葉の開くところがまさに破れた番傘を開く形で、これまたうまい名をつけた ものだと思います。


モミジガサ【紅葉傘】
Cacalia delphiniifolia キク科コウモリソウ属

千葉県大多喜町で(1996年 9月)Photo by K.Iozawa

北海道から九州までの山地の林の下などに生える多年草。

高さ90cm ほどに なり、互生する葉は長さ15cm 、巾20cm ぐらいでカエデの葉のように掌状 に深裂している。

8〜10月、茎の上部にわずかに紫色を帯びた白い頭花を円 錐状につける。
頭花は5個の管状花が集まってできている。

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