「ヒイラギ」 (10月22日)


刺のある葉が魔除けのまじないになるというヒイラギ、この枝に鰯の頭を刺して 節分に門口に立てる風習がありますが、いまがちょうど花の時期です。

ヒイラギ に匂いのよい花が咲くということ、ご存じない方が多いかと思いますので、ご 紹介しておきます。

おなじモクセイ科のキンモクセイはいわば官能的な華やかな 香りですが、ヒイラギは似たような匂いながら、どこか清楚で心の落ち着く感じ がします。

ヒイラギには柊の字を当てますが、昔は「疼木」と書いたものです。疼は疼痛の 疼で「ひららぐ」と読み、痛みのことです。
葉の刺が痛いのでこういう名がつき、 ひららぐ木→ひらら木→ひいらぎと変化したものと思われます。


ヒイラギ【柊】
Osmanthus heterophyllus モクセイ科モクセイ属

千葉県大原町で(1994年10月)Photo by K.Iozawa

山地に生える常緑小高木で、庭木や垣根にもよく植えられている。

高さは5〜8m になり、対生する葉は長さ4〜7cm で表面に光沢があり、 若木のうちは葉の縁に鋭い刺があるが、老木になると刺は消える。

10〜11月に、葉の付け根に香りのよい白い花が束になって多数咲く。
花 は小さな筒形で先が四つに分かれ、直径5mm ほどに開く。

果実は長さ1.5cm ほどの長楕円形で、翌年に黒く熟す。

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