「キンゴウカン」 (11月3日)


ゴウカンとは合歓(ネム)の漢語読みで、つまり黄色いネムということです。

白い球形の花が咲くギンゴウカン【銀合歓】というのは日本でも栽培されていて ギンネムの名でも知られていますが、これは属が違います。
黄色いネムは日本で はあまり見られません。

インドネシアのスマトラ島にシンカラック湖という大きな湖がありますが、そこ を訪れたのは、滅法暑い日でした。
湖畔の茶店で一休みし、生ぬるいコーラなど で渇きを癒したのですが、その茶店の庭先にこのキンゴウカンがたくさん咲いて いたのです。

花にはよい香りがあり、カッシーという香料がとれます。

熱帯植物にもほとんどのものに和名がついていますが、これは戦時中マレーシア のペナン植物園長であった渡辺清彦氏の命名によるもの、または熱帯の樹木を扱 う林業に携わる人々が昔から慣用していたものがその殆どです。

このシリーズでは渡辺氏の著書『熱帯植物集成』および熱帯植物研究会編『熱帯 植物要覧』によりました。


キンゴウカン【金合歓】
Acacia farnesiana マメ科アカシア属

インドネシア、チボダス植物園で(1974年 2月)Photo by K.Iozawa

熱帯アメリカ原産のアカシアで、熱帯・亜熱帯に広く分布する樹高3〜5m の小低木。

枝には刺が多く、葉は2回羽状複葉で羽片は4〜6対。
小葉は長 さ長さ3〜4mm 、巾1.5mm ほどの長円形で10〜20対ある。

球状の黄 色い頭花は直径2cm ほどで芳香がある。

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