「タチヨウラクボク」 (11月4日)


ヨウラクは「瓔珞」と書き、宝石や貴金属を編んで頭・頸・胸に掛ける印度の装 身具です。
仏像の装飾や建築物の垂れ飾りのことも言い、瑶珞とも書きます。

シャラシャラと垂れ下がった飾り物一般の表現によくこの語を使いますが、植物 の名にもヨウラクツツジ、ヨウラクラン、ヨウラクシダ、ヨウラクホオズキなど たくさん使われています。

このタチヨウラクボクは大型の花を咲かせるマメ科の木で、シンガポール植物園 で見たときはその華麗さに見とれました。蔓性の幹から細い枝が垂れ下がり、そ の先が急に太くなるとともに上を向いて大型の総状花序を上向きにつけます。
瓔 珞が垂れ下がらないで上を向くところからこの名が与えられたのでしょう。


タチヨウラクボク【立瓔珞木】
Afgekia sericea マメ科アフゲキア属

シンガポール植物園で(1983年 1月)Photo by K.Iozawa

タイ原産の蔓性木本で熱帯各地で鑑賞用に栽培される。

葉は奇数羽状複葉で 偶数部は6〜8対ある。
小葉は長さ5〜6cm 巾2cm ぐらいの卵形で、先は 尖っている。

細長い枝のさきに上向きの総状花序をつけ、紅紫色の大型蝶形 花を多数咲かせる。
花序の大きさは20〜30cm ぐらい。

苞、花弁の裏面、 葉の裏面に白い軟毛が密生している。

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